インデックスファンドに投資していると、株価が下落した時に買いたくなることはありませんか?
投資信託だと基準価格の反映にタイムラグがあり、下落したタイミングで買うのが難しいです。
現物株のように取引できるのはないの?
ETFを利用すれば、現物株のように時価で取引できます。
しかし、外国株式に連動するETFは、ドル転が必要なことが多いです。
円で買えるETFはないの?
全世界株式なら、円建てのETFが存在します。
簡単に取引でき、配当金もあります。
円建てETFと投資信託、どちらがいい?
僕の結論としては、
となります。
円建てETFは、面白い商品ですが中級者向けだと思います。
投資経験の少ない初心者の方は、投資信託でよいでしょう。
なお、全米株式(S&P500)に連動する円建てETFもあります。
銘柄選びの参考になると嬉しいです。
投資信託との違い
代表的な全世界株式の投資信託と、円建てETFを比較してみましょう。
商品名 | eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | MAXIS全世界株式 (2559) |
指数 | MSCI オール・カントリー・ ワールド・インデックス | MSCI オール・カントリー・ ワールド・インデックス |
純資産額 (2023年3月17日時点) | 9147.54 億円 | 219.97 億円 |
設定日 | 2018年10月31日 | 2020年1月9日 |
分配金 | なし(再投資) | あり |
購入手数料 | 無料 | 無料(※) |
信託報酬 | 0.1144% | 0.0858% |
信託財産留保 (売却手数料) | なし | なし(※) |
取扱証券会社 | 楽天証券 SBI証券 マネックス証券など | 楽天証券 SBI証券 マネックス証券など |
最低購入金額 | 100円 | 時価 |
NISA | ○ | ○ |
つみたてNISA | ○ | × |
iDeCo | ○ | × |
※一部証券会社のみ(SBI証券、楽天証券など)
リターンの比較
直近3年のリターン、リスクを比較してみましょう。
パフォーマンス | eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | MAXIS全世界株式 (2559) |
リターン(年率) 1年 | 2.22% | 8.54% |
リターン(年率) 3年 | 25.6% | 16.5% |
リスク(年率) 1年 | 19.75% | 20.32% |
リスク(年率) 3年 | 19.17% | 17.81% |
シャープレシオ 1年 | 0.21 | 0.57 |
シャープレシオ 3年 | 1.29 | 0.95 |
どちらも比較的新しい商品ですので、短期的なデータしかありません。
リターンの比較は難しいですが、リスクはどちらも20%前後となっています。
どちらを選んだとしても、年間で20%程度増減するリスクがありそうです。
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | MAXIS全世界株式 (2559) | |
2022年分配金 | 0円 | 222円 |
2021年分配金 | 0円 | 156円 |
2020年分配金 | 0円 | 103円 |
ETFの特徴は分配金が出ることです。逆に投資信託は分配金がでません。
MAXIS全世界株式(2559)は約1%程度の分配金があり、半月に1度(6月と12月)半分ずつ支払われます。
円建てETFのメリット・デメリット
円建てETFのメリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。
メリット | デメリット |
ドル転が不要 配当金が出る 運用コストが低い | 再投資の効率が悪い まとまった資金が必要 |
外国株ETFは、通常、円を外貨(ドルなど)にして購入する必要があります。
円建てのETFは、外貨の購入が不要なので売買が簡単です。
また、株式と同じように配当金もあります。
さらに、投資信託と比較して、運用コスト(信託報酬)が低いです。
デメリットは、配当金の再投資をしようとした場合、
投資信託に比べ面倒で、税金の分だけ効率が悪いです。
投資信託は100円から購入できます。
しかし、円建てETFは10,000円以上のまとまった資金が必要です。
円建てETFの手数料を下げる方法
投資信託よりも低コストな円建てETFですが、さらに運用コストを下げる方法があります。
それが「貸株」サービスの利用です。
「貸株」を利用することで実質手数料をもっと下げることができます。
「貸株」は、文字通り株を貸すサービスです。
株(ETF)を貸すことで金利を受け取れます。
株(ETF)を貸したら配当金はどうなるの?
配当金も「配当金相当額」として受け取ることが可能です。
ただし「貸株金利」「配当金相当額」は、雑所得の扱いとなります。
確定申告が必要になるので注意してください。
サラリーマンでも、雑所得が20万円を超えたら確定申告が必要です。
確定申告を行わないのは脱税
脱税は立派な犯罪
仕組みがよく分からないの場合、「貸株」は止めましょう。
円建てETFは、どんな場合にオススメか?
円建てETFは、投資信託よりも低コストで運用可能です。
「貸株」を使えば、実質コストをかなり抑えられます。
また、配当金がもらえるのも嬉しいポイントです。
インデックス投資だと「投資しているという実感」がありません。
生活が変わるわけじゃないし
つまらないなぁ
配当金が出ると「投資している感」が出て、モチベーションアップに繋がります。
口座の現金が増えるのは嬉しい
税金の知識があり、確定申告にも慣れている場合、「貸株」や各種控除を利用することで、円建てETFを最大限に活かすことができます。
そのような方は、投資信託よりも円建てETFを用いた方が、低コストで運用できるでしょう。
長期運用なら投資信託
メリットがたくさんある円建てETFですが、
これから始めるなら
投資信託と円建てETF
どっちがいいの?
そう聞かれたら
と答えます。
一番の理由は「ETFは面倒だから」です。
ETFの分配金再投資は自分で行う必要があります。
投資信託なら「分配金の再投資は自動」です。
長期「ほったらかし」を前提とするなら、投資信託でよいでしょう。
また、投資信託は「つみたてNISA」「iDeCo」という非課税口座を活用できます。
利益に対する税金を減らすことができるのもメリットです。
税金のことも考えると
運用コストの差はないかも
運用実績
子どもの未成年口座で運用しています。
コロナ禍の給付金(約13万円分)で購入しました。
2023年現在は、米国の利上げの影響を受けて含み損となっています。
ただし、分配金を含めるとプラスです。
将来的には子どもに管理させようと思っています。
「投資するということ」「お金を増やすこと」「溢れた水から飲むこと」
これらを少しでも学ばせられたらいいな、と思っています。
まとめ
円建てETFは、面白い商品ですが、ちょっと難しい側面もあります。
ある程度の知識がついた「中級者向け」という印象です。
このような方は、投資信託でよいと思います。
インデックス投資では「淡々と買って何もしない」というのが重要だったりします。
ETFか投資信託かというのは、そこまで考える必要はないでしょう。
この辺りが抑えられていれば、問題ないです。
投資信託の選び方は、以下の記事でも紹介しています。
ブロガーの間で人気な投資信託というのもあります。
当ブログでは、僕の保有銘柄の運用実績も公開中です。
銘柄選びに迷っている方は、参考にしてみてください。
皆様の資産運用が上手くいくことを願っています。
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